2008年5月18日日曜日

LVS負荷分散ソリューションについて

こんにちは、かわらばん編集長の安藤です。関東地方もとうとう梅雨に入りましたね。去年と比べて20日も早いということです。毎年やってくる季節とは言え、私にはちょっと苦手です。

さて今回は、LVS負荷分散ソリューションについてお話したいと思います。これは、Webサーバを管理されているお客様には朗報になると思います。

「時々Webページが見られない、応答が遅い、ページの表示に時間がかかり過ぎる。」などの苦情がお客様から届いていませんか?
「処理スピードを上げようとして複数のサーバを用意したけれど、どのように処理を分散したら良いかわからない」とお感じではありませんか?

1台のサーバを使用しているときは関係ないのですが、処理速度を早くしようとして、サーバを増やしていっても、処理うまく分散できなければ意味がありません。

これを解決する手段としては、ロードバランサがあります。この技術は、単に負荷を分散し処理スピードを上げるだけではなく、構成の変更を外部に隠したまま、Webサーバを増やしたり、減らしたりすることもできます。つまり、Webサーバのどれかに障害が生じた場合でも、速やかにそのサーバを自動的に切り離すことが出来るのです。

当社では、この技術を活用したLVS(Linux Virtual Server)によるLVS負荷分散システムの設計及び構築をご提供させていただいております。

特長としては

  • http等のリクエストを自動的に負荷分散
  • TCP、UDP等のプロトコル、ポート番号に応じて、パケットを実サーバに振り分ける
  • ファイアーウォール(パケットフィルター)機能がある
  • どのリアルサーバに振り分けるかについて、複数のスケジューリングポリシーから選択可能
などとなっています。

LVSによる負荷分散の構成としては、いろいろ考えられますが、ここでは下記の2種類を紹介します。

【構成例 1】
  • LVSを導入してWebサーバを冗長化する
この構成では、複数あるWebサーバのどれかが障害をおこしても、自動的にそのサーバを切り離すことが出来、さらに障害が生じたことを外部から知られることもありません。
リアルサーバの稼働状態を周期的に監視し、異常があれば自動的に切り離しを行います。また、回復すれば自動的に参加させます。

【構成例 2】
  • LVSを冗長化する
この構成は、LVSを冗長化するものです。つまり、アクティブであるロードバランサとスタンバイ状態のロードバランサを持ち、アクティブロードバランサに障害が生じた場合、スタンバイロードバランサに切り替えるものです。

【LVS冗長化構成の特長】
  • L4ロードバランサ
  • 振り分けアルゴリズム(重み付ラウンドロビン、重み付最小コネクション等が指定可)
  • パーシスタンス機能
  • ヘルスチェック
  • フェイルオーバー
  • keepalived LVSと組み合わせて使うロードバランサの冗長性確保用デーモン
  • vrrp(Virtual Router Redundancy Protocol)ルータの多重化

【オープンソース(OSS)化構成によるメリット】
  • TCOの削減
  • 透明で自由度が高い
  • 経験豊富なエンジニアによるサポート体制
今回は、とても効果的な負荷分散が可能になるLVS負荷分散システムのお話でした。この内容についての詳細はこちらからお気軽にお問い合わせ下さい。

今後も最新情報や商品紹介などの情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

Xeon3350 クアッドづくしサーバ

こんにちは、かわらばん編集長の安藤です。5月に入ってから、寒くなったり暑くなったりしています。体調管理が大切な時季ですので、どうぞお気を付けください。

さて今回は、新発売の45nm版クアッドコアシングルXeonプロセッサ搭載のサーバをご紹介したいと思います! このサーバは、人気の高いIntel Xeon 3350クアッドコアプロセッサ、または同等スペックのIntel Core 2 クアッドプロセッサQ9450を1個搭載しており、低消費電力でありながらハイパフォーマンスなモデルです。

Xeon 3350/Core 2 Quad Q9450は、優れたパフォーマンスに加え電力効率に優れたプロセッサです。45nmプロセス技術を採用していて、従来の65nmプロセスのCore 2 Quadシリーズと比べ、FSBが1066MHzから1333MHz向上、L2キャッシュが8MByte(4MByte×2)から 12MByte(6MByte×2)へ増強されいます。巷では、このプロセッサは品薄状態になっているようです。

このモデルは、Intel SATAコントローラに直結しているフロントHDDベイが4つあり、ディスク交換も簡単にできます。また、IntelギガビットNIC4ポートをボード上に搭載していますので、ボンディングで冗長化したり、ルーターとして用いたり、いろいろと応用が利きます。NICを4ポート、オンボードに内蔵しているサーバは、他にはありません!(当社調べ)。


特長としては
  • ギガビットネットワーク 4個
  • 最新のクアッドコアプロセッサ ペンギンが4匹(Linuxの場合)
  • メモリ最大8GB(2GBモジュール ×4スロット)
  • フロントHDDベイ4つ
となっており、まーさに、クアッドづくし

オプションとしてSATA HDD、IPMIカード、3ware RAIDカード他をご用意しております。SATA HDDがオプションになっているのは、お客様の好きなドライブを組み合わせて使って頂きたいからです。もちろん、弊社推奨のドライブも用意しております。3ware RAIDカードを追加すればデータベースサーバ、ファイルサーバとしても利用が可能です。

主要スペック
  • 型番       EZ1UX3350-4G
  • CPU       Intel Xeon 3350 Quad coreプロセッサ(Yorkfield, 2.66GHz, L2 Cache=12M, FSB1333MHz, Intel 64, VT, TDP=95W)
  • チップセット   IntelR 3200 + ICH9R Chipset
  • メモリ      2GB DDR2 800MHz Unbuffered ECC ×2
  • マザーボード  Supermicro X7SBi-LN4
  • ネットワーク   ギガビットイーサネット計4ポート Intel 82573V x1 , 82573L x3
  • グラフィック   ATI ES1000 32MB Graphics
  • HDD       Intel ICH9R SATA コントローラ, フロントHDDベイ4個
  • 光学ドライブ  無し
  • 電源       100 - 240V, 50 - 60Hz, 300W PFC 電源
  • 付属品      ラックマウント用スライドレール
  • 遠隔管理    SATA HDD、IPMIカード(遠隔管理用)、3ware RAIDカード他
この他にも、クロック周波数2.83GHzのXeon 3360プロセッサ搭載モデルEZ1UX3360-4Gもご用意しておりますので、ご要望に応じた選択が可能です。

今回は、新商品のご紹介をいたしました。製品の詳細についてはこちらからお気軽にお問い合わせ下さい。

今後も最新情報や商品紹介などの情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2008年5月12日月曜日

メモリーエラー。ECCは本当に機能しているのか?

こんにちは、かわらばん編集長の安藤です。ゴールデンウィークも終わりましたが、どのようにお過ごしになりましたか?今、東京国立近代美術館では「東山魁夷展」が開催されていますね。唐招提寺の襖を飾る荒海や水墨画の風景は圧巻です。

さて今回はIntel i3000チップセットのECC機能とLinuxでのエラー検出に関するお話です。

メモリに記憶されたデータというのは、何らかの原因によってエラーを起こすことがあります。この原因としては、メモリモジュールの故障や宇宙線によるビット反転(ソフトエラー)などが考えられます。

そこで特に信頼性が要求されるサーバなどにはECCメモリが採用されています。このECCメモリとは、本来のデータに誤り訂正用データを付加し冗長性を持たせることによって、1ビット誤った時に訂正を行い、2ビット以上誤った時には修正はできないが、誤りが発生したことを検出してくれる頼もしいメモリです。

Linuxでは2.6.16カーネルより、EDAC(Error Detection and Correction)機能により、このようなECCイベントをOSで検知できるようになりました。すなわち、システムログにECCイベントが記録されるので、障害時の原因切り分けやメモリの故障判別が非常に容易に行えます。

ECCメモリとEDACの組合せは、システムの信頼性を向上させるため大変有効な技術なのですが、Intel i3000のチップセットで検証したところ、これが機能せず、エラーを検知できていないことがわかりました。そこで当社では、EDACの不具合を修正しメモリエラーを検知できるようにしました。修正パッチの内容等詳しいことについてはこちらをご覧下さい。

このパッチについては、EDACプロジェクトのメーリングリストに投稿しましたが、最近リリースされた、linux-2.6.25バニラカーネル自体にも取り込まれることになりました。これによって、ECCエラーイベントをOS上で正常に検知することができるようになります。

サーバ等には必須のECCメモリですが、これで本来の機能を確保できるようになりました。ECCメモリを用いると、エラーの訂正や検出を行うためデータの信頼性が向上します。またEDAC機能により、ECCイベントをOSで検知し故障メモリの早期発見が可能となります。これによってメモリ交換の要・不要を容易に判断できますので、システム全体の信頼性を向上させることができます。

今回はメモリに関する技術的内容についてのお話でした。ご不明な点はこちらからお気軽にお問い合わせ下さい。

今後も最新情報や商品紹介などの情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。