この頃、SSDが注目を集めていますね。HDDと比較して、データの読み書きの速度が非常に高速であり、かつ低消費電力であることが今日の需要にマッチしているのでしょう。SSDはご存知のとおり、フラッシュメモリを利用した半導体メモリーのことで、機械的駆動部分がないため、高速であり、機械的衝撃にも強くなっています。
前回は、単体性能を評価して、カタログスペックを満足することを確認しました。今回はそれに引き続きRAID構成時の性能を評価しました。RAID(レイド)とは、複数のハードディスク(ここではSSD)を組み合わせて、1つの仮想的な1台のディスクとして管理する技術です。データの管理方法によってRAID0からRAID5まで、6種の構成方法があり、それぞれに、高速化、耐障害性等に特徴があります。
結果ですが、RAID0(4台)で最高でRead 1.0GB/s、Write 821MB/sという、驚異的な性能を叩き出しました。この性能ならば、高速にデータを読み書きする必要があるデータベースサーバや、映像コンテンツの編集用のワークステーションとしても、期待できそうです。
【測定環境】
サーバ
CPU | Intel(R) Xeon(R) CPU X3350 2.66GHz |
マザーボード | Supermicro X7SBi |
メモリー | DDR II 800MHz ECC 8GB |
RAIDカード
製品名 | ポート数 | キャッシュサイズ |
Adaptec 5805 | 8 | 512MB |
Areca 1680i | 8 | 256MB |
3ware 9690SA-4I | 4 | 256MB |
SSD
製品名 | Intel X25-E 32GByte (SSDSA2SH032G1C5) |
特徴 | 2.5", SATA2, SLC |
【測定方法】
シーケンシャルアクセスの速度を調べるためにddコマンドを使用しました。SSDとHDDのそれぞれ先頭2GBのパーティションを作成し、以下のコマンドで読み書きの速度を調べました。
読み込み | dd of=/dev/null if=/dev/sda bs=100M count=20 iflag=direct |
書き込み | dd if=/dev/zero of=/dev/sda bs=100M count=20 oflag=direct |
ランダムアクセスの速度は、bonnie++を使用して測定しました。SSD全体をext3でフォーマットし、/mnt/にマウントした後、以下のコマンドで読み書きの速度を調べました。
ソフトウエア | bonnie++ 1.95 |
コマンドライン | bonnie++ -u 0 -b -d /mnt/ |
【測定結果】
ここでは、シーケンシャルアクセスの結果についてお知らせします。ランダムアクセスの結果等、詳しいことはこちらをご覧ください。
シーケンシャルアクセス
Adaptec 5805 (Write Cache=on(wb)) | Areca 1680i | 3Ware 9690SA-4I (Storsave=performance) | ||||
RAID 構成 | Read | Write | Read | Write | Read | Write |
1 (2台) | 481MB/s | 227MB/s | - | - | 342MB/s | 159MB/s |
0 (4台) | 1GB/s | 821MB/s | 730MB/s | 515MB/s | 523MB/s | 638MB/s |
5 (4台) | 1GB/s | 369MB/s | 737MB/s | 397MB/s | 494MB/s | 325MB/s |
以上のように、Adaptec 5805 + Intel X25-E(4台)、RAID0の構成で、シーケンシャルRead 1GB/s、シーケンシャルWrite 821MB/sという驚異的な性能を得ることができました。
また、各RAIDカード毎にみるとRaid0>Raid5>Raid1 の順に性能が高く、RAIDレベル毎にみるとAdaptec>Areca>3Wareの順に性能が高いということがいえそうです。
SSDの驚異的な性能は、様々な利用が考えられますね。弊社といたしましても、データベースサーバや映像コンテンツ編集用ワークステーション等、高速にデータをやり取りする必要があるシステムに関して、お客様のニーズに合致したご提案をさせていただいております。お問い合わせやご質問などはこちらからお気軽にお願いいたします。今回はこれで失礼いたします。
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