2009年6月29日月曜日

【ぷち】スマートグリット

 オバマ現アメリカ大統領の公約である、グリーンニューディール政策の柱のうちのひとつ「スマートグリット」という構想が話題になっているのをご存知でしょうか。

 オバマ政権に限らず、各国の環境政策で注目を集めているそうです。


 【スマートグリット】
 IT技術を積極的に用いて、供給者と消費者のあいだの電力伝送における課題を解決しようという概念と計画のこと。供給者とは発電所であり、消費者は家庭やビルを指し、電力の需要と供給のバランスを、最適に制御する次世代型「送電網」。
 
 従来の電力網は発電所で発電された電気が、送電線や変電所、配電線を通って、家庭やオフィスビルなどに向かって、一方向に送電されています。
 スマートグリットでは、この流れを双方向にします。

 
 【スマートグリット】そのものは概念や計画を指すし、内容の具体例や重要視されるサービスは各国によって異なるようです。
 主な具体例をあげてみると、

●スマートメーター
電気使用料の検針作業を人が行なわず機械が自動的に電力事業者へ遠隔報告する。

●事故発生時の迅速対応
停電事故発生時などで、問題箇所を素早く特定する。

●電力使用の遠隔制御
電力需要のピーク時に、電力事業者の側から各需要家へ節電依頼信号のようなものを発信して不要不急な電力の使用を減らすよう依頼、または機器を停止させる。

●分散発電による売電の効率化とトラブル回避
事業所発電や個人宅での余剰電力の買取時に円滑に「逆方向」に電力を流し、また位相や電圧を適正に維持するよう調整する。


 アメリカがこの【次世代型かしこい送電網】に興味津々なのは、現在の送電インフラの状態がよくないからです。都市部においても、大きな範囲での停電が起こり、たびたびニュースでも流れています。
 
 遅かれ早かれ「古い家電を買い直さなければいけない」状態といえます。
 一般家庭で冷蔵庫や洗濯機が古くなるようなものですよね。
 
 いま使用しているものがダメになるなら、最先端のものが欲しい。
 省エネで、使い勝手がよくて、頑丈なもの。

 
 この【スマートグリット】構想に関して、我が日本政府の反応はと言うと・・・。
 米国他の各国とは違って、反応は鈍いです。

 何故なら、日本の送電インフラの基礎は終了しているからです。

 日本で停電が頻繁に起こっていたのはもう遠い過去のこと。
 アメリカが「スマートグリット(かしこい送電網)」に夢中になっている現在、日本は「スーパーグリット(最新・最高級送電網)」を持っています。

 「最先端の家電が出るらしいけど、今の家電もまだまだ十分に使えるしなぁ」といった感じでしょうか。

 アメリカの送電インフラの整備が今後本格的に整備されていくとするならば、日本企業はおおいに現在持っている技術を試してみる(売り込んでいく)大きなチャンスなのかもしれません。

 狭い日本で無駄なインフラ整備を繰り返すより有意義だと思いませんか?
 

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